悩める医者「医者が飽きたと思うことが増えてきた。どうしたらいいだろう・・・。」
こんな悩める医師の皆様に向けた記事です。
医者を飽きたと思う3つの理由と飽きたと思った時にするべき2つのことを紹介します。
私は今、外科の後期研修医をしています。
臨床に、研究に忙しいながらも成長の毎日を過ごしています。
最近、医者10年目くらいの先輩方から、「医者が飽きた」という話をよく聞きます。
私自身は、未だ日々勉強の身なので、医者が飽きたと思うことはないですが、ある一定の年次を超えると急に「医者が飽きた」という人が増えてくる印象です。
今回、私自身の体験、先輩方に聞いた話から、医者が飽きたと思う3つの理由を紹介します。
さらに、医者が飽きたと思った時にするべき2つのことを紹介します。
この医者が飽きたと思った時にするべき2つのことは、医者を飽きないように若いうちからするべきことでもあります。
実際、どちらも私自身、既に実践しており、日々に非常に刺激をくれるものです。
結論、医者を飽きたと思う3つの理由はこちらです。
・単純作業が多い
・臨床能力がプラトーに達するのが早い診療科もある
・長時間労働が多い
そして、医者を飽きたと思った時するべき2つのことはこちらです。
・プログラミングを勉強する。
・転職活動をする。
それでは一つずつ掘り下げていきます。
目次
医者を飽きたと思う3つの理由
単純作業が多い
医者を飽きたと思う1つ目の理由は単純作業が多いからです。
医者の仕事は正直、ほとんどがルーティンワークです。創造性を求められるようなクリエイティブな仕事は臨床業務では非常に少ないです。
例えば、カルテ記載、外来業務、簡単な処置、同意書取得、書類作成・・・。
このように医者の業務の多くの時間を占めるのは、単純作業です。
一部の医師は難しい手術や手技の多くを担うこともありますが、非常に限られた存在です。
このように毎日毎日、繰り返される単純作業を何年もしているうちに、「医者に飽きた」と思ってしまうのも無理はありません。
診療能力がプラトーに達するのが早い診療科もある
医者が飽きたと思う2つ目の理由は、臨床能力がプラトーに達するのが早い診療科もあるからです。
医師からGoogleのエンジニアに転職されたLillianさんという方がいます。
Lillianさんは自身の経験を書いた記事の中で、エンジニアに転職した理由の1つとして、「血液内科としての臨床能力はほとんどプラトーに達しており、10年後も20年後も同じようなことをやっている自分が想像できた」という旨を書かれています。
このように優秀な方ほど、特に手技が少ない診療科では、優秀な人ほど早期に臨床能力がプラトーに達することがわかります。
臨床能力が早期にプラトーに達するのは非常に勉強熱心で優秀な方です。
熱心で優秀な方ほど、自分が日々成長していないことに満足できないのだと思います。
このように、診療科によっては、優秀な人ほど早く臨床能力がプラトーに達してしまい、医者に飽きたと思ってしまうのも無理ありません。
長時間労働が多い
医者が飽きたと思う3つ目の理由は、長時間労働が多いからです。
医者は当直など長時間労働が多いです。
そして、一定の経験値を超えるとあまり考えずに出来る対応に追われて夜を徹することになります。
つまり、悪く言うと、夜通し雑用をやっているという状態になります。
例えば、初期研修医1年目の時は点滴を取るのが大きな挑戦で、やりたくて仕方なくても、医者3年目くらいになると点滴に呼ばれるのがどんどん億劫になります。
このように、出来なかった挑戦がどんどん雑用のような立ち位置なっていきます。
年次を重ねれば重ねる程、新しい経験はなくなり、雑用と呼べる類の仕事が多くなります。
このように、雑用と呼べる類の仕事を時には夜通し、強いられる結果、医者が飽きたと思ってしまいます。
医者が飽きたと思った時にするべき2つのこと
以上、医者が飽きたと思う3つの理由を紹介しました。
ここからは、医者が飽きたと思った時にするべき2つのことを紹介していきます。
プログラミングを勉強する
医者が飽きたと思った時にするべき1つ目のことは、プログラミングを勉強する、です。
医者が飽きたのであれば、医者と相性の良いプログラミングスキルを身に着けましょう。
新しいスキルを身に着けることで、医者としての仕事をプログラミングで工夫することもできますし、プログラミングを使った臨床研究をすることもできます。また、プログラミングができる人の中でも医療系の知識があることは希少価値になります。
一つの能力がプラトーに達したのであれば、新しい能力を身に着けて相乗効果で人材価値を上げる、という発想です。
このように人材価値を上げるというプラス要素もありますが、実際は最低限のプログラミング知識がなければ、今後淘汰される可能性がある、という面もあります。
今、世の中ではプログラミングが義務教育に組み込まれています(文部科学省HP)。
なんと、小学校、中学校、高校の全てでプログラミングが義務教育に組み込まれました。
つまり、10年もすれば、プログラミングを義務教育で学んだことのある世代と一緒に仕事をすることになります。
30年後には、職場では過半数がプログラミングを義務教育で学んだ、それもかなり長期にわたって学んだ人になります。
最低限のプログラミング知識やスキルは職場で当たり前のように必要とされるでしょう。
今、管理職世代がzoomなどをうまく使えず、リモートワークに大きな支障をきたしているというのは有名な話です。
義務教育でプログラミングを学んでいない世代は、自分から能動的に勉強する機会を設けなければ、30年後にはもっと致命的なデジタル知識の格差が生じることになるでしょう。
デジタル知識の格差が出世などに影響する可能性も十分あります(既にあります)。
なので、医者が飽きたと思えるほど日々の業務に余裕がでてきた方は、本業とリンクする新たなスキルを学習しましょう。
その中でプログラミングが必須だと言えます。
詳しくは、医者が今、プログラミング学ぶべき3つの理由【時代遅れになる前に】でアツく語っています。具体的な勉強方法も述べています。
転職活動をする
医者が飽きたと思った時にするべき2つ目のことは、転職活動をする、です。
これは、飽きたなら転職しましょう、と言っているのではありません。
自分がいる以外の職場を見てみることで、自分の市場価値を把握しましょう、ということです。
具体的にはエージェントに相談するのがおすすめです。
誤解が多いところですが、エージェントに相談したからといって必ず紹介してもらった職場で働かないといけない、ということは一切ありません。
エージェントに相談して、他の職場を紹介してもらうことによって、今の自分はどのくらいの条件の職場で働くことができるのか、そしてより良い条件の職場で働くにはさらに何が必要か、がわかります。
特に、より良い条件の職場で働くには何が必要か知ることはとても価値があります。
「今の診療科だと、この資格、専門医があるとさらに良い求人があります」
など、エージェントの担当者に聞くと教えてもらえます。
そして、早期からエージェントに相談する最大のメリットは、エージェントの担当者と信頼関係を築けることです。
エージェントの担当者も人間です。付き合いが長かったり、印象の良い相手には良い求人を紹介したくなるものです。
実際、このようなエージェントにはお宝求人が入ることがあります。そのような求人は表で募集がかかることはなく、このように信頼関係のある医師に優先的に紹介されます。
早くからエージェントを利用することで長期にわたって担当者と信頼関係を築くことは大きな財産になります。
私自身も初期研修が終わった段階でエージェントに相談し、担当の方についてもらっています。
もちろん、転職先ということではなく、アルバイトも紹介してもらうことができます。
私は実際に非公開のアルバイト求人を紹介してもらったことも何回もあります。
エージェントとうまく付き合っていくことは、今の医師にとって必須科目と言えるでしょう。
さいごに
以上、医者が飽きたと思う3つの理由、医者が飽きたと思った時にやるべき2つのことを紹介しました。
実際、先輩方の話を聞いていると、優秀な人ほど「医者が飽きた」と思っている傾向がありました。
この記事にたどり着いた方々は、勉強熱心で優秀な方のはずです。
一人でも多くのそんな優秀な生成方のお力になれば幸いです。