みなさんこんにちは。外科医のさとう(Twitterはこちら)です。
今回は新・研修医1年生に向けて私が研修医時代,本当に使用した参考書を紹介していきます。
みなさん!国家試験お疲れさまでした!学生最後の休みを満喫されている方もいれば家族団らん過ごしている方,4月からの研修に向けて準備に余念がない方,様々いらっしゃると思います。
みなさんは晴れて研修医として社会にでます。
忘れもしません,研修医1年目のこと。噂には聞いていると思いますが,本当に地獄です。
最近はゆとり世代とかなんとかで若いもんが甘えとる!全然働かんしやる気がない!こんなんで一人前になれると思うな!
まずこんなありがたいお説教を必ず3回はみなさん受けることになります。
確かに一世代前と比較すると初期研修はゆるくなっているのは間違いないと思います。
しかし,初期研修がきつかろうがゆるかろうが,自分の病院がハイパー病院だろうがハイポ病院だろうが,研修医がつらいのは,社会人として働くことが初めてだからです。
なのでほぼ確実に全員がつらい思いをすることになります。
最初からできる人なんて一人もいません。もちろんがんばりすぎることはありません.仕事で体を壊すくらいなら思い切って休むことも一つです。
今回は少しでもそんなみなさんの力になりたい!と思い私が研修医時代本当に使った参考書,そして勧められて購入したはいいがほとんど使わなかった参考書について紹介します。
まず大前提としてお話しておきたいこと.医学参考書はめちゃくちゃ高いです.なので勧められるがままに「あれもいい」「これもいい」と次々購入していると本当にすぐお金がなくなります。
なので医学参考書はできるだけ買う数を少なくするように心がけましょう。
それでは私が超厳選した本当に必要な参考書を3つだけご紹介します。
研修医に本当に必要な参考書3選
内科レジデントの鉄則 第3版
これはまじで使えます.何度この参考書に助けられたことでしょう。
病棟で困ったことがあれば,大体はこの参考書に答えがのっています!そのくらい実績と信頼の1冊。
正直,この一冊で初期研修乗り越えた,そんな人がいてもいいと思えるほどです。
この一冊は必携なので必ず4月までに購入するようにしましょう.まだ持っていない人,大変な苦労をしていることでしょう,今すぐの購入をおすすめします。
ジェネラリストのための内科外来マニュアル 第2版
こちらは当直で必携の一冊です.特に初期研修でwalk-in外来を担当する人は必携です。
この参考書の素晴らしさは,症候別に鑑別していくフローチャートが詳細に記してある点です。
国家試験では疾患別にかなり深いところまで勉強しますよね.例えば虫垂炎は右下腹部痛がある,尿管結石は背部痛があるといったように。
しかし,実際の臨床では逆です.患者さんの症候から鑑別を上げて検査を選択していく必要があります。
この参考書では腹痛患者の鑑別の仕方,咳嗽患者の鑑別の仕方といったように症候から感度・特異度を論じながら鑑別方法を超具体的に教えてくれます。
私は研修医1年目の終わりくらいにこの本を購入しましたが,もっと早く買っておけばよかったと本当に後悔しました。
ベストは入職時に本書を購入し当直のたびに自分で本書に気づいた点や追記を書き足していく手法だと思います。
なのでとにかくなるはやでの購入をおすすめします。
総合内科病棟マニュアル
この一冊の素晴らしいところはずばり,病棟トラブルの鑑別とその対応がフローチャート形式で詳しくわかりやすく記されている点です。
研修がぶつかる大きな壁の一つ(私の中では苦労した笑)に電解質異常があると思います。
入院患者のNaやKが下がってきたり上がってきたりして,「とりあえず塩だそう」「とりあえずカリウム製剤だそう」とやっていると,上級医から「この電解質異常鑑別したの?」と聞かれ「ぐぬぬ・・・」
これはどの病院でもあるあるだと思います。
この参考書の電解質異常の鑑別はフローチャート化していて非常にわかりやすいです。
私自身はこのフローチャートや正確な数値を完全に覚える必要はないと思っています。
ただ,電解質異常の患者を診た時に「あの参考書のフローチャートに従って鑑別していこう」という自分の中で統一された指標があることが重要だと思っています。
この参考書は電解質異常だけでなくあらゆる病棟対応(インスリンの使い方やステロイドの使い方等)について書かれています。
本当におすすめの一冊なのでこちらも同様に4月までに購入し働きながら自分で書き足していくことをおすすめします。
さいごに
みなさんいかがでしたでしょうか。
今回は私が厳選した本当に必要な参考書3冊を紹介しました。
正直,この三冊で2年間,乗り切れると思います。
それくらいこの参考書たちには何度も助けられました。
必携の3冊だと思うので是非4月までに購入して研修医としてスタートダッシュをきってください。
みなさんの研修医生活を心から応援しています。一緒にがんばりましょう。こちらの記事で診療科別に本当に使用した参考書を紹介しています。
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では,また!