キャリア 研修医

【実際使ってた】研修医に絶対おすすめ参考書【診療科別】

 

みなさんこんにちは。外科医のさとう(Twitterはこちら)です。

 

今回は私が研修医時代,ローテートした診療科で本当に使用して役立つと確信のある参考書たちを紹介します。

 

医師人生で最も大変な期間の一つ,それが初期研修。

 

何度もできない自分に絶望しながら日々を過ごすことになります。

 

そんな中,我々研修医を救ってくれるもの,それが参考書です。

 

初期研修で本当に必要だった参考書を厳選して3冊にまとめた記事がこちらです,本当に助けれたもののみを紹介しているので御覧ください。

 

上の記事では初期研修を通じてとにかくこれだけは絶対必要だよね,という3冊をご紹介しました。

 

今回はとはいえ,色々な診療科をローテートする中でこれはあった方が良かったし実際助けられたよね,そういう参考書を診療科別に紹介していきます。

 

これらの本があればカンファレンスの準備もぬかりなし,上の先生の質問にもそつなく対応できちゃう,そんな参考書たちです。

 

多すぎても「結局どれがいいんだ!」となると思うので,1診療科2冊までに厳選してお届けします。

【実際使ってた】研修医に絶対おすすめ参考書【診療科別】

救急科

当直医マニュアル

救急科ローテーションでは必携の1冊!

本参考書の最大のメリットはポケットサイズであること

救急で遭遇するあらゆる疾患の診断や重症度判定,そして初期治療が記載されています

救急科勤務中は時間がなくじっくりと参考書を読む時間がありません,なので遭遇した疾患は勤務の隙間時間に本参考書で確認,どんどん自分の知識に変えていきましょう

ここまでわかる急性腹症のCT

救急で最も重要なものの一つ,それが画像読影です

特に緊急度の高い疾患では即座にCTを見て専門科へコンサルトする必要があります

本参考書では救急で遭遇する可能性のある緊急性の高い腹部疾患のCT画像がほぼ全て網羅されています

本参考書も救急外来へ持参,疾患に遭遇するごとに隙間時間でさっと疾患別に画像所見を確認しましょう

画像診断ができるかどうかは経験値が大きいです.1疾患遭遇するごとに本参考書で画像所見を複数パターン確認することで1であるはずだった経験値を5や6まで上げることができます

次に同じ疾患に遭遇した時に大きな効果を発揮します

外科

イラストレイテッド外科手術

初期研修で最もきつい診療科の一つ,それが外科です

長い手術,術後患者の急変,たくさんの手技,研修医が悲鳴を上げる要素が詰まっている科です

研修医のみなさんも虫垂炎や鼠径ヘルニアを執刀させてもらえる機会があるかと思います.実際に手技を経験し「外科おもしろい!」となる研修医も多くいます

「あー,手術楽しかった!」と思うのもつかの間,手術をするということはオペレコを書く,ということがセットです・・・

これがきついんです.ただでさえ業務量が多く気が休まらない外科ローテーション,業務の後の時間でオペレコを書くという難題が待ち構えます

そんな時,研修医を救ってくれる1冊,それが本参考書です!

本参考書には種類豊富な外科手術の概要(ニトリの家具組み立ての説明書のようなイメージ)がイラスト形式で非常にわかりやすく記載されています

もちろん,オペレコだけでなく「明日手術あるから予習しといて!」と上級医に言われた時,本参考書を一読すれば翌日ドヤ顔で解剖や手術手順を答えることができます

おすすめの1冊です,外科系志望あれば必ず買うことをおすすめします!

Dr.竜馬の病態で考える人工呼吸管理

外科ローテーションで研修医が最も恐れること,それが夜間呼び出し

「患者さんの血圧が下がっています」「発熱しています」「せん妄であばれています」

このような数々の呼び出しを経験することになります

そんな中で最も頻度の高い呼び出しの一つが,「人工呼吸器患者さんのSPO2が悪いです」という呼び出し

研修は呼吸器設定をいじり酸素化を改善させる必要があります

そんな時役立つのが本参考書!本参考書は小手先の人工呼吸テクニックだけでなく,呼吸とは人工呼吸とはというより本質的な部分に言及されており1から納得して学ぶことができます

人工呼吸器を用いるのは外科だけではありません.研修医時代に持っておくと安心の一冊です!

麻酔科

麻酔科研修チェックノート

研修医がいびられる可能性が高いローテーション先,それが麻酔科

本参考書には本当に助けられました

本参考書はポケットサイズで持ち運び便利です.麻酔科では手術中,手持ち無沙汰な時間が必ず発生します.その時間で本書を読みましょう.手術中の手持ち無沙汰な時間だけで1週間あれば読み切ることができます

本参考書は研修医に必要な麻酔科の知識が過不足なく記載されています!過不足なく!ここが重要です!

麻酔科は薬理学や生理学など勉強しだすときりがない.しかも,基礎系の知識が多く,基礎系は嫌だという人は数多くいますよね

本参考書は実際の業務に沿って必要なことが過分なく記載されている研修医必携の1冊です!

感染症科

サンフォード感染症治療ガイド

感染症科,というよりこちらは研修医全員必携の1冊です

医者は抗菌薬を使います.これはどの診療科であってもほぼ必ず使います

抗菌薬は腎機能や本人の体格に合わせてそれぞれ必要量が変わります

抗菌薬ごとに使用量を教えてくれる,それが本参考書!

抗菌薬は必ず使います,全研修医必携の一冊なのでなるべく早く購入しましょう!

感染症プラチナマニュアル

まず最初に,私は本参考書は購入していません.私は上で紹介したサンフォードを使っていました

本参考書はサンフォードが容量がアメリカ版なのに対し日本人用に作られた一冊

サンフォードかプラチナか,これは勤務する病院や科によって好みがあると思います

どちらか一方,勉強熱心な人は両方持っておくのもいいかもしれません

循環器内科

循環器内科グリーンノート

これぞ循環器内科のバイブル!

高血圧,脂質異常症からAMIまでその診断と治療が詳細に述べられています

本書は循環器内科ローテーション中に辞書的に使用することをおすすめします.割と分厚い本です

例えば,心不全の患者さんの担当になった際には本参考書の心不全の部分を読む.AMIの患者さんの担当になった時にはAMIの部分を読む.

通読するのではなく,実業務に沿った形で使用することをおすすめします

本書があれば循環器内科ローテーションで知識的にわからないことがあった困り果てる,ということはなくなります

本当におすすめの1冊!

そうだったのか!絶対わかる心エコー

循環器内科ローテーションで研修医が必ずぶつかる壁,それが心エコーです

循環器ローテーションの間に心エコーは当てられるようになろう!そう思う研修医が多いはずです

本参考書には心エコーの当て方はもちろんのこと,その数値がどのようなことを表しているのか,本質的にどのようなことを測定しているのか,そこからしっかりと解説してくれます

また本参考書は薄く,持ち運びにも困りません.循環器ローテーション中は常に持ち歩き,心エコーを当てることができるチャンスを虎視眈々と狙いましょう!

呼吸器内科

ポケット呼吸器診療

呼吸器内科ローテーション必携の一冊!

呼吸器内科はこれ1冊で大丈夫!

本参考書はポケットサイズで薄いながら十分量の情報が記されています

各疾患毎に診断,必要な検査,治療.簡潔に非常にわかりやすく記されています

本書は絶対に必要な一冊なので呼吸器内科ローテーション前になんとしても入手してください!

レジデントのためのやさしイイ胸部画像教室

呼吸器内科で研修医に必ず立ちはだかる壁,それが画像読影です

呼吸器内科では,すりガラス影,浸潤影を始め,粒状影,網状影,腫瘤影,結節影,そして経気道分布,胸膜直下型など画像読影において明確に陰影を区別します

この陰影の定義を間違えることでカンファレンスで炎上,なんてことが研修医あるあるなんです

本参考書ではすりガラス影とは?浸潤影とは?といった超基本的なところから丁寧に解説されています

是非,研修医には持っておいていただきたい1冊です!

腎臓内科

レジデントのための血液透析患者マネジメント

腎臓内科と透析は切っても切り離せないですよね

透析は他科ではなかなか勉強することができません

腎臓内科をローテーションする時に「透析量?除水量???」と全く馴染みのない会話が飛び交います

本参考書は薄くコンパクトであり,血液透析で本当に基本的で理解しておくべき内容が簡潔にまとめられています

腎臓内科を志す人はもちろん,他科志望の人であっても持っていて損のない一冊です!

小児科

HAPPY!こどものみかた

小児科はみなさんローテーションしますよね

子供が得意な人,苦手な人がおり評価が分かれる診療科,それが小児科です

そんな中,本書は症候別にまとまっていて読んでいて飽きない1冊です

小児科ローテーションの隙間時間に楽しんで読みながら勉強する事ができます

読み物としてもおもしろい一冊なので小児科ローテーションの際には事前に入手しておきましょう!

 

産婦人科

産婦人科研修ハンドブック

まずはじめに!

私自身は本書は持っていません

というより恥ずかしながら産婦人科の参考書は1冊も購入しませんでした・・・

本書は産婦人科3年目の先生に伺った研修医が持っておくならこの1冊だろ!という1冊になります

本書は薄くコンパクトな一冊で産婦人科の本当に基本的な内容がまとまっている(らしいです)

若手産婦人科医が言うなら間違えないでしょう!

さいごに

みなさんいかがでしたでしょうか。

 

私が厳選したおすすめ診療科別おすすめ参考書を紹介しました。

 

重要なことをもう一度。

 

医学参考書は本当に高いです。色々な勧められるがまま,何冊も購入していると多大なるお金を使うことになってしまいます。

 

今回紹介した参考書たちはどれも買って損すること・後悔することはないものになっています。

 

初期研修はつらく厳しいです.残念ですがこれは紛れもない事実です。

 

しかし,できなかったことが一つ一つできるようになる,今までにない程毎日,自分の成長を実感しながら日々を過ごすことができます。

 

またかけがえのない仲間にも出会うことができます。

 

気張らず,マイペースが一番です.みなさんの初期研修が良い日々になることを心から祈っています。

 

今回の記事が少しでもみなさんの力になれれば,こんなに嬉しいことはありません。

 

これからも応援させてください。

 

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では,また!

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