悩める医学生「医学生のうちに海外留学ってした方がいいんだろうか?医学生で海外留学をして意味があるだろうか?」
こんな医学生の疑問にお答えします。
医学生にとって海外留学は超有益です。機会があれば絶対に活かしましょう。
「いやいや、留学なんてお金もかかるし、遊びみたいなもんでしょ。行く意味を感じないよ」
その気持ちは非常によくわかります。
海外留学なんてほとんど遊んでいるだけだし、意識高い系の人がやっている他人にマウントをとる道具でしかない。私も医学部に入りたての時は海外留学についてこのように思っていました。
しかし、私は実際に医学生時代に複数回海外留学を経験し考え方が一気に変わりました。
医学生時代の海外留学はメリットしかないです。
唯一のデメリットはお金がかかるということだけです。
今回は私の実体験をベースに、医学生が海外留学をするべき3つの理由を解説します。
結論、医学生が海外留学をするべき3つの理由はこちらです。
医学生が海外留学をするべき3つの理由
・英語学習のきっかけになる。
・マッチングで有利になる。
・日本を客観視できるようになる。
「いやいや、そんな当たり前のことわかっているよ」「海外留学が大切なんてことはわかっているけど、自分は英語苦手だし無理だよ」
そう思うかもしれません。しかし、これらは些細なことかもしれませんが、医者として働きだすと非常に大きな意味を持ちます。
英語が苦手な医学生の皆様、気持ちはよくわかります。何を隠そう、私自身、英語がとても苦手でした。
少し自己紹介をさせてください。
私は今、外科の後期研修医をしています。
医学生になるまでは完全に英語とは縁遠い生活を送っていました。帰国子女でもなければ頻繁に海外旅行に行っていたわけでもありません。
典型的な部活と勉強に勤しむ日本の高校生でした。
英語は中学・高校でも苦手でした。学年の英語のクラス分けもちょうど真ん中くらいでした(全くもって有名な進学校ではありません)。
そんな英語が苦手な私ですが、医学生時代には複数回の海外留学を経験しました。
理由は単純で、「海外留学とかかっこいい」、そう思っただけです。
留学内容は基礎研究、臨床医学の実習形式、国際保健業務などです。
いわゆる語学留学ではなく、医学部のプログラムとしての留学です。
期間は1~3か月程度です。
英語など全く話せない状態からのスタートでしたが、今では外国人を英語で問題なく診療できるようになりました。
私自身、これから紹介する3つの理由だけでなく、医者になってからも多くの場面で、医学生時代に留学しておいてよかった、と思うことがありました。
お金が許すのであれば、全ての医学生が学生のうちに一度は海外留学を経験してほしいと思っています。
「私は英語が話せないから・・・」
こんな理由で海外留学を敬遠してしまうのは大きすぎる機会損失です。
むしろ、英語が苦手だと思っている人にこそ、海外留学は挑戦する価値があります。
英語が話せなくても何とかなります。英語は話さないといけない状況に追い込れて初めて、必死で勉強するものです(実際私がそうでした)。
今回は私が全ての医学生が海外留学をするべき3つの理由について深堀していきます。
3つの理由の後には海外留学前の具体的な英語学習方法についても紹介します。
医学生が留学するべき3つの理由
英語学習のきっかけになる
医学生が海外留学をするべき理由の一つ目は、英語学習のきっかけになるからです。
医学生の皆様、英語の勉強はしていますか?
Yesと答えるのは少数派でしょう。
これからの時代、英語が大切、なんてことは誰でも頭ではわかっています。
医学生が英語を勉強する重要性については医学生が英語を勉強するべき3つの理由【医学より英語】、医学生に英語は必要なのか【今は不要ですが勉強しましょう】の記事で詳しく紹介しています。
しかし、今、実際に必要に迫られていなければ熱量をもって英語学習に取り組むことは難しいでしょう。
勉強に、部活に忙しい医学生であれば尚更です。
しかし、半年後から数か月、海外へ臨床実習に行くと決まればどうでしょう。
「今の英語能力じゃ実習が成り立たない」、「もっと英語ができるようになってからじゃないと実りある実習ができない」
このように嫌でも危機感に襲われます。必死になって勉強するはずです。
実際、海外留学の最中にも自分の情けなさを痛感し、必死で勉強するはずです。
留学が終わり、帰国後もそうでしょう。自分の英語能力の課題が明確になり、一層英語学習の必要性やモチベーションが生まれるはずです。
皆様も思っているように医学生の海外留学なんてたかがしれています。大きなことを成し遂げることができるわけもなく、見学のような形で終わることがほとんどでしょう。
しかし、たとえ、海外留学自体は実りが少ないものになっても、英語学習のきっかけになれば今後の人生には大きな影響があります。
海外留学自体で成果の残す必要は必ずしもありません。自分が成長するきっかけとして、海外留学に挑戦してみましょう。
マッチングに有利
医学生が海外留学をするべき理由の二つ目は、マッチングに有利だからです。
学生時代留学経験があるのは初期研修先を決めるマッチングでは非常にプラスに働きます。
確かに、学生時代、海外留学をして臨床実習や基礎研究をしていました、という学生を見れば、「この学生は向上心が強くてしっかりしているんだろう」という印象を受けますよね。
典型的な、「学生時代は部活を頑張りました」という学生とは差別化になります。
実際に私の周りでも、いわゆる有名初期研修病院にマッチした人は留学経験者が多かった印象です。
逆に非常に成績優秀な人や部活の大会でいい成績を残したという人が意外と希望の病院とマッチしないという人も少なからずいました。
マッチングに使えるという理由で留学をするというのは動機が不純で打算的に思えるかもしれません。
しかし、挑戦したという事実が最も大切です。
挑戦して自分が成長できたのであれば理由は何でもいいと思います。
最もらしい理由なんて、いくらでも後付けできます。
モテたい、かっこいい、おしゃれ、履歴書に書ける。理由は何であれとにかく一歩踏み出して挑戦しましょう。
日本を客観視できるようになる
医学生が海外留学をするべき理由の三つ目は、日本を客観視できるようになるからです。
過去の私を含め、多くの医学生は人生のほぼ全ての時間を日本で過ごしてきたはずです。
日本の文化や価値観、そして医療制度が当たり前な環境で育ってきましたよね。
しかし、一歩外にでれば日本の常識は非常識です。
ある国では約束の時間は遅れるのが当たり前です。ある国ではお金のある人だけが手厚い医療を受けることができます。
このように国ごとの様々な違いを体験することで、日本の良い部分、そして良くない部分がはっきりと自分の中で見えてきます。
良い部分は引き継いでいく、そして良くないと思う部分は自分が働き始めてから改善できるように工夫をする。
このように今いる自分の環境を客観視することで新しい仕事のチャンスへの感度が飛躍的に上がるはずです。
また日本の外国人の数は増え続けています。そしてこれからも増加傾向になることが予想されます(nippon.com)。
これからは日本に住んでいても外国人の診療も行うのが当たり前になっていくはずです。
そんな中、他の国の文化を理解できなければ信頼関係を築くことはできません。
たとえ短期間であっても、医学生時代に留学をし、実際に外国で暮らし、文化の違いを体験するのは極めて大切な経験です。
留学前の英語学習
それでは、いざ留学に行くことが決まった時、どうやって英語学習をすれば良いのかを紹介します。
一番大切なことは、スピーキング力を集中してのばしましょう。
医学生は文法、ライティング、そしてリーディングは医学部受験でたくさん勉強しているはずです。
英語が苦手といっている医学生の大半は、スピーキングが苦手なだけで英語力そのものが低いわけではありません。
スピーキングの練習というものをほとんどしたことがないだけです。
練習さえすれば、リーディングやライティングのように必ず向上します。
逆に、いくらリーディングやライティング能力を伸ばしたところでスピーキング力の向上には直結しません。
スピーキング力を伸ばすにはスピーキングの練習をする必要があります。
私が実際にスピーキング力を伸ばすためにしたおすすめの3つの勉強法はこちらです。
スピーキング向上のための3つの勉強法
・オンライン英会話
・瞬間英作文
・言語交換サイト
これらは私が様々試行錯誤した上で最終的に素晴らしいと思った厳選された3つです。
個人的にはスピーキング力が初心者のうちはオンライン英会話を使うのが最もおすすめです。
なぜなら、オンライン英会話のチューターは英語が話せない人に慣れていますし、仕事として丁寧に対応してくれるからです。
少しなれてきてからは言語交換サイトで英語でおしゃべりする友達を見つけましょう。
詳しい勉強法については、【実体験】医学生のための英語勉強法まとめ【楽しく続く】の記事で紹介しています。
さいごに
以上、医学生が海外留学をするべき3つの理由と留学前の英語学習方法について紹介しました。
英語ができなくとも結局は行動した者勝ちです。
私は英語が全く話せなかったですが、海外に飛び込んで良かったと今では本当に思います。
挑戦すれば必ず成長することができます。
この記事が一人でも多くの医学生の背中を押すことができれば幸いです。