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私が医者をやめたいと思った3つの理由と対処法【体験談】

多忙な医師「毎日仕事ばかり。理不尽な上司と働かない部下に挟まれて誰にも理解してもらえない。もう医者をやめたい・・・」

 

 

 

こんな医師の皆様に向けた記事です。

 

この記事では実際に私が医者をやめたいと思った3つの理由と対策をご紹介します。

 

少し自己紹介をさせてください。

さとう

 

私は今、外科の後期研修医をしています。

 

まだまだ習練中の身ですが、実際に若手医師として理不尽だと感じること、そして実際にやめようか迷っているという上級医の先生方の話をちらほら耳にします。

 

私自身も医者をやめたい、実際にやめてしまおうと思ったことも複数回あります。

 

今回は若手医師という立場から体験した医者をやめたいと思った理由、そして私がそれでも今医者を続けるために行った対策をご紹介します。

 

この記事が今大変な日々を過ごし、医者をやめたいと思っている方の気持ちを少しでも楽にすることができれば幸いです。

 

医者をやめたいと思った3つの理由

 

 

激務すぎる

 

単純に医者は労働時間や拘束時間が長すぎます。

 

診療科や立場によると思いますが、平日の通常の勤務がかなりハードワークであることに加え、夜はオンコールや当直が結構な頻度であります。

 

そして翌朝からまた勤務が始まり、難しい判断や責任ある手技をしなければなりません。

 

当直などがなくても重症の患者さんが入院したり、夕方に緊急入院が入ったりすると夜は病院に待機している必要があります。

 

過労死のラインは厚生労働省で近年、次のように改められています。

 

国は過労死を認定する基準について、残業時間が、
▽病気の発症直前1か月に100時間
▽発症前の2か月から6か月は1か月平均で80時間をいずれも超えた場合など、としていて「過労死ライン」と呼ばれています。

残業時間の長さが「過労死ライン」に達しない場合でも、それに近い残業があり、不規則な勤務などが認められれば「仕事と病気の発症との関連性が強いと評価できる」として、労災と認定すべきだとしています。

不規則な勤務については、具体的に、
▽仕事の終了から次の開始までの「勤務間インターバル」が短い場合や、
▽休日のない連続勤務などを示しています。

「過労死ライン」20年ぶりに見直しへ 認定基準案示す 厚労省 NHKより引用)

 

皆様も感じると思いますが、ハードな診療科の医師のほとんどが過労死ラインを超えていることがわかります。

 

なぜ日本の医者はこれほどまでに過重労働を強いられているのでしょうか。

 

それは「医師数」「病床数」「一人あたりの受診回数」のアンバランスさが一つの大きな原因です。

 

なぜ、日本の医者は「超」長時間勤務なのか? (朝日新聞 DIGITAL)に非常に具体的に日本の医者が激務である理由が書かれています。

 

 

 

 

これらの表もなぜ、日本の医者は「超」長時間勤務なのか? (朝日新聞 DIGITAL)より引用させていただきました。

 

要は日本は人口あたりの医者数が少なく、一方で病床数は多く、1人当たりの受診回数が多いのです。

 

つまり医者一人あたりの仕事量が国際的にみて非常に多いことが国であることがわかります。

 

また、医者の仕事は診療だけではありません。

 

学会発表、論文作成などは基本的には勤務時間にならずどんなに自分がやりたくなくとも「自己研鑽」という扱いになります。

 

診療業務が終わってからこれらの仕事に取り組まなければなりません。

 

よって、締め切りに追われている時期などは特に心に余裕がなく、医者をやめたいと思ってしまいます。

 

出世すると給料が下がる

 

これも医者の残酷な現実の一つです。

 

会社員の方々は出世すると給料が上がるのが一般的ですよね。

 

昇給のために出世を目指すのが一般的な流れです。

 

しかし、医者は違います(施設や地域によっては出世が昇給につながるところもあるかもしれませんのでご了承ください。)。

 

一般企業の部長にあたる、診療科の教授は給料がそこまで高くないことが多いです。

 

むしろ、教授になる前より教授になってからの方が給料が低いということも多々あります。

 

もちろん立場が上がっていくと、仕事の裁量が増えたり、大きな仕事を扱ったり、やりがいはとても大きくなります。

 

給料だけが働く理由ではありません。

 

給料というのは全てではありません。しかし、分かりやすい指標の一つです。

 

仕事がとても大変な時、「自分は何のためにがんばっているんだろう」と思ってしまいます。

 

人間関係が大変すぎる

 

特に医局は人間関係が大変です。

 

「だれだれ先生派」などの派閥が存在し、他の派閥とはいがみ合っていることも少なくありません。

 

また別の診療科や同じ診療科でも違う部署とはライバル関係であったりして風通しが良くないことも多々あります。

 

業務をする上で、単純な業務以外に気を遣うことがたくさんあります。

 

また上級医の先生方にご指導頂く際にも、この先生はこの手技工程でやるけど、あの先生はこの手技工程だと納得しない、といったように一つの正解がなく、純粋に手技の習得に集中できないこともあります。

 

そしてなにより、声を荒げる人や威圧的な人もまだまだいるのが現実です。

 

人間関係で気を遣うことが多い時、医者をやめたいなと思ってしまうことがあります。

 

医者をやめたいと思った時にした対策

 

医者をやめたいと思った時、どうすればいいでしょうか。

 

転職活動をしてみましょう。

 

実際に医者をやめたいと思った時にやっている対策です。

 

Yotuberとして有名なサラタメさんリベラルアーツ大学の両学長も動画内で仕事が嫌になった時、転職活動をしてみることをおすすめしています。

 

もちろん、実際に転職する必要はありません。

 

転職には大きなリスクを伴いますが、転職活動にリスクは全くなく、無料でできます。

 

転職活動をすることで今の自分の市場価値や世の中で求められているスキルを知ることができます。

 

医者用の転職サイト、そして一般の転職サイトの両方に登録するのがおすすめです。

 

医者として、そして社会人として両方の自分の市場価値を見てみましょう。

 

医師の皆様は大学1年生から将来の職業を変えることはほとんどありません。よって医師以外の職業について知る機会がありません。

 

一般の転職サイトを利用することで医療界以外の感覚と自分の感覚がどのくらいずれているのかを知ることもできます。

 

他の職業ではこのくらい休みがあるのか、給料はこのくらいなのか、こんな勤務形態があるのか、などもしかしたら自分の好きなことや新しい可能性に気付けるかもしれません。

 

また他の職種の求人を見ることで、「医者はこんなに恵まれているんだ」と今の自分の環境に感謝できるかもしれません。

 

医者をやめたいと思った時は視野を広げるチャンスです。

 

もし、本当に気になる求人があった時にはもちろん思い切って転職するのもありです。

 

このように転職活動はリスクもコストも少なく、多くを得ることができます。

 

実際に私も医者用、一般用の転職サイトに登録しています。

 

日々つらいと思った時は送られてくる求人を見たり、実際にエージェントに相談したりしています。

 

今の仕事を続けるにしても将来的に本当に転職するにしても絶対に無駄な時間にはなりません。

 

おすすめの医者用の転職サイトはメディウェル(医師バイトドットコム)エムスリー(m3)MRTです。有名なサイトですので既に使っている方も多いと思います。

 

メディウェル:スポット、定期、常勤どれも案件豊富。高単価の案件が多い。

エムスリー(m3):医者専用の転職・アルバイト紹介サイト。王道中の王道。

MRT:医師求人・転職紹介。

 

一般の転職サイトのおすすめはマイナビジョブ20'sAMBIです。

 

いわゆるハイクラス転職と呼ばれる求人が多いです。

 

登録は無料ですし、実際に登録から現在まで害を感じたことはありません。

 

繰り返しになりますが、転職にはリスクがありますが、転職活動にリスクはありません。しかも無料でできます。

 

是非一度試してみて下さい。

 

マイナビジョブ20's:20代や30代など若手向けの求人が多い。ハイクラスな求人が多い。

AMBI:ハイクラス求人が多い。

 

さいごに:時には休むことも必要です。

 

このような記事に行きついた皆様は優秀で真面目な方に違いありません。

 

優秀で真面目な方ほど頑張りすぎて体を壊してしまいがちです。

 

本当に大変な時は思い切って休みを取りましょう。

 

自分を大切にできるのは自分だけです。

 

今の仕事だけが人生の全てではありません。

 

より良い人生にするため、一緒に頑張りましょう。

 

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