悩める初期研修医「初期研修医は給料が低くてお金がない・・・。初期研修医はアルバイトできないって本当・・・?」
こんな初期研修医の悩みにお答えします。
初期研修医のアルバイトは医師法で禁止されています。それでもできることを今やりましょう。
初期研修医は給料が少ない病院も多いのが現状です。
特に都会の病院や大学病院では月20万円を下回るような病院もあります。
お金が足りなければ、医者としてアルバイトをすれば良い。こう考える方も多いと思います。
しかし、初期研修医がアルバイトをすることは医師法で禁止されています。
医師法第一六条の五 臨床研修を受けている医師は、臨床研修に専念し、その資質の向上を図るように努めなければならない。
これだけではアルバイトを直接禁止する提言ではないように見えますが、厚生労働省の医師臨床研修に関するQ&A(研修医編)において明確にアルバイトを禁止する旨が述べられています。
医師法第16条の2では、「診療に従事しようとする医師は、臨床研修を受けなければならない。」、同法第16条の3で「臨床研修を受けてい る医師は、臨床研修に専念し、その資質の向上を図るように努めなければならない。」と規定されています。また、臨床研修に関する省令において、「臨床研修 病院は、届け出た研修プログラム以外の研修プログラムに基づいて臨床研修を行ってはならない」と規定されています。したがって、研修期間中に診療のアルバイトをすることはできません。
逃れる術がない程、はっきりと明記されてしまっています。
実際、初期研修医が医師としてのアルバイトをするのは難しいと思います。
医者のバイトサイトは臨床研修修了証を登録することが多いですし、実際勤務先にも臨床研修修了証を提出する必要があることがほとんどです。
初期研修医のうちに医師としてのアルバイトをすることは不可能だとまずは諦めるのが妥当でしょう。
それでは、何もできることがないのか。
そんなことはありません。アルバイトができない初期研修医にもできることはあります。
今回はアルバイトができない初期研修医がやるべき3つのことを実体験ベースで紹介します。
ます結論を先に申し上げます。
アルバイトができない初期研修医がやるべき3つのこと
・医師のバイトサイトに登録し、使い方をマスターする。
・副業の土台作りをする。
・投資の勉強をして実際に始める。
以下でひとつずつ深堀していきます。
少し自己紹介をさせてください。
私は今、外科の後期研修医をしています。
私が初期研修した病院は給料が高いとは言えない病院でした。
実際、初期研修中にお金に困ったこともありました。
初期研修医はアルバイトができないと知り、悶々とした日々を過ごしていたのを覚えています。
しかし、後期研修医になりアルバイトをする身になると、「初期研修医のうちに出来ることあったじゃん。早めに準備しておけばよかった。」と後悔しました。
何事も始めてすぐ上手にはできません。
皆様には私と同じ後悔をせず、スムーズに良い後期研修医生活が送れるよう願ってこの記事を書いています。
少しでもこの記事がお役に立てれば幸いです。
アルバイトできない研修医がするべき3つのこと
医師のアルバイトサイトに登録しておく
初期研修医はアルバイト禁止です。
しかし、実際にアルバイトさえしなければ、バイトサイトに登録することはできます。
正直、後期研修医になると初期研修医より仕事に追われる日々になります。
バイトサイトへの登録すら時間がなくて面倒、後回しなんてことはあるあるです。
またバイトサイトはそれぞれ使い方が異なり、初心者のうちは良い案件を見つけたり、獲得するのがなかなか難しいです。
そもそも、初心者のうちはバイトの相場がわかりません。気づいたらあまり割の良くないバイトをしていた、なんてことになりかねません。
初期研修医のうちにバイトサイトへの登録を済ませ、使い方をマスターしておきましょう。
おすすめのバイトサイトはメディウェル(医師バイトドットコム)、エムスリー(m3)、MRTです。
どちらも後期研修医になれば必ず使うことになります。初期研修医のうちに登録しておいて損はありません。
私自身、後期研修医になったらバイトをしようと思っていましたが、後期研修医になるとなんやかんや仕事に追われ、実際にアルバイトをしたのはかなり先になってしまいました。
実際、医師のアルバイトは本当に割がいいものが多いです。
そして、割のいいアルバイトほど、驚くべきスピードでなくなります。
初期研修医のうちに面倒な登録をすませ、使い方をマスターしておくことを強くおすすめします。
副業の土台を作る
二つ目は副業の土台作りです。
ここでいう副業はいわゆる医師のアルバイトではありません。
Webデザイン、プログラミング、ブログなど一般に副業と呼ばれる類のものです。
なぜ医者が医者と関係ない副業をやるべきか。
一番の理由は税金の問題です。
医師は確かに世間の平均より年収が高いと言われています。
しかし、医師、こと勤務医がもらえる収入はどこまで時間単価を上げても給与所得に分類されます。
給与所得、つまり勤務医の給料は上がれば上がる程、税金の金額も上がります。
そして税金は近年上がり続けています。
2020年、年収1000万円の人の手取りは約720万円です。一方、2000年の年収1000万円の人の手取りは約800万円です。
ここ20年で同じ年収でも手取りが約80万円、毎月7万円ほども手取りが減少しています。
月7万円、恐ろしい金額です。
少子高齢化が進む日本では今後も増税は続くことが予想されます。
それではどうすれば良いか。
副業で事業所得を作りましょう。
事業所得は経費計上ができたり、青色申告特別控除が使えたり、とにかく節税のための技のバリエーションが圧倒的に増えます。
この事業所得を作る第一歩が副業というわけです。
しかし、この副業収入、作るのがとても大変です。
大変、というよりとにかく時間がかかります。
初期研修医はアルバイトが禁止ですが、近い将来収益化するためにブログを作る、プログラミングスキルを学ぶ、など準備はいくらでもできます。
初期研修医のうちに実績やスキルを蓄えておき、後期研修医になってすぐに収益化すれば良いだけです。
私自身、ブログは初期研修医後半の時始めました。もっともっと早くやっておけばよかったと後悔しています。
初期研修医のうちにスキルを蓄えておきましょう。
副業については【全て在宅ワーク可能】医者の副業おすすめ3選【超厳選】【実体験】で詳しく紹介しています。
投資の勉強をする
3つ目は投資の勉強です。
投資、と聞くと一か八かのギャンブルのような印象を持つ方もいるかもしれません。
投資はしっかりと勉強して銘柄を選べば決してギャンブルではありません。
もちろん、投資には向き、不向きがあります。
多少リスクを取ってでも大きなリターンを求める人もいれば、全くリスクを取りたくないという人もいます。
しかし、やる、やらないは別として投資について一通りの知識だけは持っておいた方がいいです。
投資には複利という概念があり、時間をかければかけるほどお金は指数関数的に増えると言われています。
複利とは元本についた利益に対して更に利益がつくことです。
例えば100万円のお金を年利5%で運用したとします。
翌年には100 x 1.05で105万円になります。
その翌年には105万円に年利がかかり、105 x 1.05で110万円なります。
このように自己増殖していくことを複利と呼びます。
金融庁の資産運用趣味レーションを使えば簡単に計算することができます。
たとえば毎月10万円を10年間、年利5%で積み立てた場合を見てみると、総額は約1552万円になります。投資をしなかった場合は1200万円になるので差額の約352万円が投資することで増えた金額になります。
次に毎月10万円、同じく年利5%で30年積み立てた場合を見てみましょう。総額は8322万円になります。投資をしなかった場合は3600万円になるので差額の約4772万円が投資することで増えた金額になります。
これが複利の力です。時間を長くすればするほど効果を発揮します。
またS&Pという有名な米国の指標を元にしたインデックス投資では15年以上にわたって長期に積み立て投資をした場合、過去のデータからどんなに成績の悪い15年をとっても元本割れしなかったと報告されています。
つまり、投資をやるのであれば社会人になってお金を稼ぎ始めたその瞬間から始めるのが最も効率的だということです。
もちろん、私は全員投資をやれ、投資をやらないやつはだめだ、と言っているわけではありません。
投資について最低限の知識を付けた上で、やるかやらないかを若いうちに判断しておいた方がいい、ということです。
後になって、「もっと早く知っておけば良かった・・・」と後悔しないためにも、一通りの投資知識を初期研修医のうちに着けておきましょう。
さいごに
以上、アルバイトができない研修医がやっておくべき3つのことを紹介しました。
初期研修医のアルバイトは正式に禁止されています。絶対にしないようにしましょう。
アルバイトができなくともやれることはたくさんあります。
少し先の未来に向けて積極的に行動しましょう。
この記事が一人でも多くの方のお役に立てば幸いです。