悩める医学生「医者になると時間がないってみんな言っている・・・。医学生のうちにやっておくべきことってなんだろう・・・。」
こういった疑問にお答えします。
私が医学生のうちにやっておけば良かったと後悔している7つのことを紹介します。
結論を先にご紹介します。
医学生のうちにやっておくべき7つのこと
・英語の勉強(特に英会話)
・プログラミング
・旅行
・恋愛
・副業
・お金の勉強
・とにかく遊ぶ
ひとつずつ深堀していきます。
少し自己紹介をさせてください。
私は今、外科の後期研修医として働いています。
研修医になるとわかりますが、とにかく自由な時間がありません。
私は医学生時代、典型的な部活生でした。
週に5回は部活の練習がありました。土日は基本的に遠征などで一日中潰れます。
週に5回の練習以外にも最低週2回はジムに通って筋トレをしていました。
テスト前などは部活と勉強に追われ、ろくに眠れないことも多々ありました。
私自身、このような医学生生活を送ったことを今になってとても後悔しています。
確かに、部活は充実していましたし、部活の仲間は一生の仲間です。
しかし、振り返ると学生生活の思い出のほとんどが部活です。
あまりに時間を使いすぎてしまいました。
医学生は医者人生の中で唯一のまとまった時間がとれる期間です。
医学生になるまでは医学部受験で毎日勉強に追われます。医者になると毎日仕事に追われます。
医学生は課題やテストなど確かに大変です。
しかし、医者人生を通して見てみると間違いなく最も時間に余裕がある、というよりまとまった時間が取れる期間です。
この大切な6年間で何をしたかで自分の医者人生の個性が決まります。
今回は医学生時代、部活ばかりしていた私が、医者になってからやっておけば良かった、と後悔したことを7つ紹介します。
この記事を読んだ一人でも多くの医学生の皆様が私と同じ後悔をしないよう願っています。
医学生のうちにやっておくべき7つのこと
医学生は多くの場合、部活に所属しますよね。
前提として私は医学生は部活に入らなくていいと思っています。
それは、部活をやるよりも以下で紹介することに時間を使う方が圧倒的に将来有意義だからです。
詳しくは医学生が部活に入らなくて良い3つの理由【機会損失です】の記事で紹介しています。
何かをやるには時間が必要です。
時間を捻出するには何かを捨てなければいけません。
部活は医学生の時間をささげるものとしてこれから紹介する7つのことよりも優先度が低いと考えています。
もちろん、部活に入っちゃだめだ、部活に入るやつは終わりだ、と言っているわけでは決してありません。
やりがいや友人との繋がりという意味で部活に入るメリットもたくさんあります。
スポーツが得意な人は是非やってください。
あくまで、部活に時間を使いすぎる、特に理由もなく周りがみんな入るから入る、というのはのはおすすめしません。
それでは、ここから私の思う医学生のうちにやっておくべき7つのことを深堀していきます。
英語の勉強(英会話)
英語、特に英会話の勉強は医学生のうちにやっておきましょう。
英語はこれからの医者は必須です。
人口減少が続く日本ではこれからどんどん外国人が増えていくはずです。
さらに、最新の情報は常に英語で発信されます。
これから英語を使いこなせるか使いこなせないかで大きな差がつく時代がきます。(というより既に来ていて加速します)
受験戦争を勝ち抜いた医学生の皆様は英語の読み書きは得意な方が多いと思います。
そこで医学生時代に特化して取り組むべきは英会話です。
英語の能力でいう、リスニングとスピーキングの力です。
私は運よく、医学生時代に留学する機会があり、英会話を必死に勉強しました。
本当にやってよかったなと思います。
私の医学生時代の唯一とも言えるファインプレーです。
なぜ医学生が英語を勉強するべきかについては医学生が英語を勉強するべき3つの理由【医学より英語】で紹介しています。
また具体的な勉強方法については【実体験】医学生のための英語勉強法まとめ【楽しく続く】の記事で紹介しています。
英語は今回紹介する7つの中でもトッププライオリティです。
何をやっていいか迷う医学生の方はまず英語の勉強から取り組んでみましょう。
プログラミング
プログラミング、最低限のIT知識は医学生のうちに必ず身に着けておきましょう。
今は第三次AIブームです。
小学校ではプログラミングが必修科目になっています。
これからの若い世代は義務教育で最低限のITリテラシーを身に着けています。
しかし、義務教育でプログラミングを勉強することができなかった私たちは自分で勉強しなければ一生学ぶことはありません。
今はAIに関する演題が学会でも注目されています。
これは科を問わずです。実際に学会で受賞するのはAI関連の演題が非常に多くなった印象です。
またAI関連の論文も多くpublishされています。
・大腸がんのマイクロサテライト不安定性を予測する機械学習アルゴリズム構築(Lancet Oncology)
臨床研究以外でもITと医療のコラボレーションは加速しています。
・医師が処方する保険適用「ニコチン依存症治療アプリ」など研修開発のCureAppが21億円調達
この流れは今後も当分続くと思います。
自分でAIを用いた研究をする、医療ITベンチャーを立ち上げる、まで行く必要はありません。
用語が理解できる、コードを一回でも書いたことがある、これでも十分だと思います。
先述しましたが、医学生は医者人生でまとまった時間が取れる最後のチャンスです。
医学生がプログラミングを学ぶ重要性については、医学生が今すぐプログラミングを学ぶべき理由【部活じゃない】の記事で詳しく解説しています。
私自身は研修医になってからプログラミングを勉強しました。
最初はコードなど一回も書いたことがない状態でしたが、4年程学んだ今ではAIを用いた臨床研究ができるほどになりました。
正直、本当に医学生のうちに勉強しておけばよかったと何回も後悔しました。
研修医として働きながら、そして周りが医学の勉強をしている中、プログラミングの勉強をするのは色んな意味でかなりきつかったです。
是非医学生のうちに最低限のITリテラシーを身に着けて下さい。
私と同じ後悔を皆様がしないことを願っています。
旅行
3つ目は旅行です。
「医学生のうちに旅行、特に長期の旅行は絶対しておけ。医者になったら行けないから。」
皆様も一回は先輩に言われたことがあるのではないでしょうか。
私も何度も先輩に言われました。
「医学生の今も部活とかテストとかかなり忙しいんだけどな・・・」
言われる度、このような気持ちを抱いていました。
しかし、医者になってわかりましたが、先輩方の言っていた通りです。医者になると長期の旅行はほとんど、全くと言ってもいいほどいけません。
国際学会などで行く機会はありますが、仕事で、そして上司と行く旅行はなおさら、楽しいものではありません。笑
気の合う友人と、家族と、はたまた一人で旅行に行くことができるのは、もしかしたら医学生が本当に最後のチャンスかもしれません。
若いうちは多少無理がききます。
無理のしすぎは禁物ですが、医学生時代にはスケジュールを詰め詰めにしてでも旅行に行っておきましょう。
私自身は医学生、かなり無理をして旅行に行ったと思っていました。しかし、医者になると、「医学生のうちにもっと行っておけばよかった。。。」と過去の旅行の写真を振り返る日々です。
皆様は後悔が残らないように気を付けて下さい。
恋愛
4つ目はずばり、恋愛です。
有名な作家である橘玲さんによると(DIAMOND ONLINE)、幸せの源は、人的資本、金融資本、社会資本の3つとのことです。
人的資本は稼ぐ力、金融資本は保有している金銭や資産、そして社会資本は友人、家族、恋人との良好な関係です。
これは感覚的にも納得がいくと思います。
これは3つのうちどれか一つがあれば良い、どれか一つが突き抜けていればよい、というわけではなく、3つ全てをバランス良く持っている必要があります。
あくまで私が今まで見てきた経験による独断ですが、医者は社会資本でつまづく人が非常に多いです。
家族との仲が悪い、不倫して夫婦関係が冷え切っている、恋人ができない・・・
個人的には、青春時代の多くの時間を勉強に費やしていることも原因の一つなのではないかなと考えています。
良い人間関係を築くというのもある種のテクニックです。
最初から抜群に上手な人は少ないですし、訓練である程度鍛えることができます。
時間のある医学生のうちに、可能であれば年単位で続く恋愛を経験しておきましょう。
個人的には恋愛をほとんど経験してこなかった方が医者になってから恋愛や結婚であまりうまくいっていない印象です。
医学生のうちに異性との接し方をマスターしておきましょう。
医学部の同級生でもいいですし、看護科が併設されていれば知り合った看護学生でもいいでしょう。
女性であれば、医学部の同級生、放射線科や検査科の男性も魅力的です。
いずれにせよ、医学生のうちに恋人のハードルをあまり上げすぎないようにしましょう。
どうしても出会いがなければ、今はマッチングアプリを利用するのも手です。
マッチングアプリは現代の出会いの最強ツールの一つです。
おすすめのマッチングアプリに関しては【実体験】医学生におすすめのマッチングアプリ3選で紹介しています。
毛嫌いして使わないのは大きな機会損失です。登録は男性女性ともに無料なものが多いのでまずは登録して中を覗いてみましょう。
副業
5つ目は副業です。
ここでいう副業は、塾講師や居酒屋のアルバイトのようないわゆるアルバイトではなく、在宅ワークやストック系の副業です。
具体的にはWebデザイン、プログラミング、ブログなどです。
医学生時代に副業で稼ぐ知恵を身に着けておくことは、医者になってからとても役立ちます。
医者という職業は確かに割のいいバイトがあります。しかし、あくまで自分の時間を高単価で切り売りしていることに変わりありません。
さらに勤務医としての仕事も医者としてのアルバイトも、どちらも給与所得になります。
給与所得は税金をコントロールする余地がほとんどないです。税金が取られ放題の状態です。
現代は増税時代です。
2020年、年収1000万円の人の手取りは約720万円です。一方、2000年の年収1000万円の人の手取りは約800万円です。
ここ20年で同じ年収でも手取りが約80万円、毎月7万円ほども手取りが減少しています。
7万円あれば、豪華な国内旅行にいけてしまうお金です。
このように少子高齢化を迎えている日本では増税は避けられない話題の一つです。
医者だから生活が安泰、という時代はもしかしたらもう幻想かもしれません。
税金をコントロールするには、事業所得や雑所得をつくるしかありません。
いわゆる先述の副業収入です。
事業所得を作れば経費が使えたり、青色申告特別控除という制度を使えたり、とにかくお金を守る技のバリエーションが豊富になります。
しかし、この事業収入、作るのが結構大変です、とてつもなく時間がかかります。
医者になって忙しいうちにこれをやるのは至難の業です。しかも、最初は全くと言っていい程稼げません。
私自身、副業としてブログをはじめましたが、一年ほどほぼ無収入です。医者の時間単価を考えると完全に割に合いません。
私は医学生のうちにアルバイトではなく事業所得をつくることに時間を使えばよかったなと大きく後悔しています。
皆様は私と同じ後悔をしないよう、医学生のうちに行動することをおすすめします。
ちなみに年収1000万円と増税の話は私が尊敬するYoutuberの両学長の「年収1000万円、増税地獄」の動画を参考にしています。
とても勉強になり、医師とも関わりが強い内容なので是非ご覧ください。
お金の勉強
6つ目はお金の勉強です。
医者はマネーリテラシーが低い人が非常に多いです。
医者はお金に興味がない人も多いためかもしれません。
驚くかもしれませんが、医者でも裕福でない、それどころかお金に困っている人は意外に多いです。
特に医者はお金に関する話題はタブーというイメージが強いです。
むしろ、お金に興味がない医者がえらいとされているふしもあります。
批判を覚悟で言いますが、お金は大切です。
お金が全てではありませんが、お金は絶対大切です。
研修医になって働き始めると、稼ぐお金、使うお金、全てが自己責任です。
私自身、お金を稼ぎ始めてから自分の無知を何度も痛感しました。
医学生のうちに最低限のマネーリテラシーを身に着けておくことを強くお勧めします。
詳しくは【実体験】医者が貧乏になる3つの理由とまずするべき対策、【医者が考察】医者がお金持ちになれない3つの理由で解説しています。是非ご覧ください。
とにかく遊ぶ
とにかく遊びましょう。
飲み会、合コン、カラオケ、旅行、スポーツ、鍋会、たこ焼きパーティー・・・。
やりたいことはなんでもやりましょう。
このように遊んでいる人を大学デビューとバカにしてはいけません。
自分の中に少しでも羨ましい、やりたいという気持ちがあるのであれば医学生のうちに全て経験しておきましょう。
医学生は中学高校の青春時代を勉強に費やした時間が長い人がほとんどです。
青春を将来のために先送りにしているイメージです。
高校生の時、自分が塾に行くのに、カラオケに行く友人、教室で楽しそうにだべっている友人、恋人と楽しそうにしている友人、羨ましいと思ったのならば全て医学生のうちに経験する努力をしましょう。
とにかくなんてもやってみることです。
やってみて、やっぱり自分に合わなければやめればいいだけです。今後羨ましいと思うこともなくなるはずです。
行動できず、他人を疎む人生は楽しくありません。
私の周りを見ていても一定数、楽しそうな他人を疎む医者がいます。
個人の自由ですが、あまり楽しいものには思えません。
若い時にたくさんのことを経験し、自分に本当に大切なもの、そうでないものを見極めましょう。
それが未来の自分の幸せにつながるはずです。
さいごに
以上、医学生のうちにやっておくべき7つのことを私の後悔ベースに紹介しました。
もちろんですが、医学の勉強も大切です。
個人的にはすごくいい点数を取る必要はないと思いますが、再試験や留年にならない程度でいいので勉強はしておきましょう。
この記事が一人でも多くの医学生の方のお役に立てば幸いです。